韓国における離婚後共同親権の状況

離婚後面会交流及び養育費に係る法制度 ―米・英・仏・独・韓― 調査と情報―ISSUE BRIEF― NUMBER 882(2015.11.17.)

国立国会図書館 調査及び立法考査局行政法務課 (前澤貴子)

Ⅴ 韓国
1 親権

 かつての親権は、父のみが有する、子に対する支配権を意味するものであった。1977 年の民法改正により、婚姻中の親権については父母の共同親権とされたが、離婚後の親権については、依然として父優先の原則が維持された。1990 年の民法改正により、離婚後の親権について、父母の協議又は家庭裁判所の審判により、単独親権と共同親権のいずれかを選択することができることとなった。また、親権者とは別に養育権者(日本における監護権者に相当する。)を定めることもできる。更に、2011 年改正において、子の福祉は、親権行使の基準にとどまらず、家庭裁判所が親権者を定める際の基準でもあることを宣言する規定が置かれた。
 ただし、共同親権は原則ではなく、子の福祉の観点から、離婚後においても父母が良好
な関係を維持することができる場合に、当事者の協議又は家庭裁判所の審判により認めら
れることとされている。

2 面会交流の意義

 1990 年改正により、面会交流を、子を直接養育しない父又は母の権利と定める規定が新設された。更に、2007 年改正により、面会交流の権利主体に子が加えられた。

3 子の養育に関する合意

 韓国における離婚には協議離婚と裁判離婚があるが、協議離婚であっても、家庭裁判所において協議離婚意思の確認を受けなければ成立しない。協議離婚意思確認手続においては、離婚後の親権者及び子の養育に関する事項(養育者、養育費の額及びその負担方法、面会交流の有無及びその実施方法)について父母が合意しなければ協議離婚できないこととされており、両親の合意形成義務が法定されている69。面会交流を含む離婚後の子の養育に関する取決めへの支援として、養育すべき子のいる協議離婚意思確認申請をした夫婦には、「父母案内」(ビデオ教材によるプログラム)の受講が義務付けられている。
 なお、面会交流については、面会交流の頻度、場所、引渡場所その他の事項を具体的に記載することが求められ、家庭裁判所が協議の作成例を提示している。

4 両親が合意に至らない場合

 父母による協議の内容が子の福祉に反する場合には、家庭裁判所は補正を命じ又は職権で子の養育に関する事項について定めることができる。

5 合意実施の強制手段

(1)面会交流実行の強制手段
 面会交流実行のための民事的強制手段としては、面会交流の実施に関する協議に違反した親に対する履行命令、義務の不履行に対する過料(1000 万ウォン)がある。
 また、面会交流の合意に反した場合の刑事的制裁として、保護・養育していない一方の親が暴行、脅迫又は違法な有形力を行使して子を奪取した場合の未成年者略取誘拐罪が規定されている。
(2)養育費支払に係る強制力
 養育費確保のための強制力として、養育費負担調書に基づく強制執行、財産明示及び財産照会制度、養育費直接支払命令(養育費支払義務者の所得源泉徴収義務者に、定期的に給与から養育費を控除するよう求める命令)、担保提供命令に関する規定が定められているほか、2014 年に制定され、2015 年3 月25 日から施行されている「養育費履行確保及び支援に関する法律」により、国による養育費取立援助(韓国健康家庭振興院に置かれた養育費履行管理院による履行支援。立替払措置を含む。)が導入された。

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9532035_po_0882.pdf


韓国の親権・監護権 山梨学院大学法務研究科 金亮完
韓国人夫婦の場合

 なお、韓国民法上夫婦のいずれか一方を親権者と定めなければならないとは規定されていません。したがって、韓国民法上は離婚後も父母が共同親権者であることが認められています。韓国大法院は、離婚後の父母を共同親権者、母を養育者と指定した原審の結論を認めています(大法院2012年4月13日判決2011ム4719)。

http://koreanlegalcenter.com/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%A4%AB%E5%A9%A6%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88/

毎日新聞「親子が別れる時:離婚を考える 韓国の制度改革 養育費、面会…家裁が確認」
韓国は離婚後の共同親権がある

日本のように、両親の離婚後親権が片方の親に委ねられるという法律は非常に稀です。韓国民法において
「親権は、父母が婚姻中であるときは、父母が共同でこれを行使する。ただし、父母の意見が一致しない場合は、当事者の請求により家庭裁判所がこれを定める。」
と規定されています。両親が離婚していようがいまいが、子供にとっての親という立場には変わりないという考え方で、韓国を含め、世界の大多数の国家が、離婚後の共同親権を認めています。

https://www.koreajp.com/civil/137/

韓国の離婚後親子関係に関する法律について
離婚後共同親権が容認されている韓国でも多くの場合、離婚後単独親権を選択している。

친권과 양육권 지정 형태의 다양성 모색 (1)-공동친권, 공동양육권-[박 변호사에게 듣는 가사소송(7)]

(略)
법원은 대부분의 사건에서 부모 중 일방을 단독 친권자 및 양육자로 지정하고 있다. 그런데 많은 경우에서는 아니지만 법원은 친권과 양육권을 공동으로 지정하기도 하였고, 최근에 아이를 방치하거나 학대하는 경우가 늘어나면서 공동 친권이나 양육권에 대한 사회적 관심이 높아지고 있는 추세다(다음 편에서는 공동 친권과 양육권에 관한 판례에 대해 알아 보고자 한다).

機械翻訳
裁判所は、ほとんどのケースでは、親の一方を単独親権者と養育者として指定している。ところが、多くの場合では、ありませんが、裁判所は親権と養育権を共同で指定することもしたし、最近の子供を放置したり虐待する場合が増え、共同親権や養育権に対する社会的関心が高まっている傾向にある(次の方では、共同親権と養育権にに関する判例について調べてみようする)。

http://thinklaw.co.kr/ab-lawyer_column_v-12
http://scopedog.hatenablog.com/entry/2019/04/07/080000